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リスクアセスメントとリスクの低減
ロボット設備を立ち上げる場合、下記の活動によって、設備の安全性を確保する必要があります。
- 設備全体のリスクアセスメントを実施し、設備全体のリスクを分析する。
- 分析したリスクの低減方策を検討後、決定した方策を設備に対して行い、設備全体の危険性を許容可能なレベルにまで下げる。
リスクアセスメントとは
リスクアセスメントとは、人間に危害を加える可能性がある場所や動作などの危険源となる部分の確認と把握を行い、そこから想定されるリスクを分析することで各リスクの危険レベルを把握することを言います。
リスクアセスメントの指針として、ロボット設備、協働ロボットに関連する以下の安全規格などを参照してください。
安全規格を参照する場合は、規格の内容が最新版であることを確認し、必ず最も新しい内容を基準にリスクアセスメントを行ってください。
- ISO 12100:2010
- ISO 10218-2:2011
- ISO/TS 15066:2016
- 機械の包括的な安全基準に関する指針 (「機械包括安全指針」)
リスクアセスメントの手順例
設備のリスクアセスメントを行う場合の手順と実施内容の一例を以下に示します。
以下の内容は、あくまで一例かつ、実施内容をわかりやすく簡易的に示しています。実際にリスクアセスメントを行う場合は、各安全規格の最新内容を確認し、設備に対し、適切な手順および実施内容を決定してください。
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設備の制限(仕様)の明確化
設備の使用者やロボットの可動範囲、動作環境、メンテナンス間隔など、設備に対する様々な仕様を調査し、明確になっていないものは明確にします (可動範囲の明確化など)。
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危険源の同定
明確となった設備の仕様をもとに、危険源 (人間と接触する可能性がある機械など)を抽出します。抽出する際は、設備のライフサイクルの全局面を通して抽出する必要があります。
ライフサイクルの全局面の例として、"運搬、設置、立上げ、運用、分解、廃棄"があります。危険源を抽出後、各危険源が具体的にどのような危険を及ぼすかをリストアップします。一つの危険源が複数の危険を及ぼす場合もありえます。 - リスクの見積もり
リストアップした各危険項目に対し、想定される危害のひどさや頻度、回避可能か不可能かなどから、リスクの危険レベルを見積もります。
- リスクの評価
リスクの見積もりを行った結果から、すべての危険項目が許容可能な危険レベルに収まっているかどうかを確認します。危険レベルが許容範囲を超えている危険項目がある場合、その危険項目に対してリスクの低減が必要となります。リスクの低減を実施後、リスクが低減されていることを確認するために再度リスクアセスメントを実施します。
リスクの低減
リスクアセスメントの結果、許容可能なレベルを超えていると判断された全てのリスクは、許容可能なレベルまで低減、もしくはリスク源である危険源の除去を行う必要があります。その活動を"リスクの低減"と呼びます。
リスクの低減を行った後、再度リスクアセスメントを行い、すべてのリスクが許容可能なレベルに低減されたことを確認してください。
リスクの低減を行う際の手順と実施内容の一例を以下に示します。
以下の内容は、あくまで一例かつ、実施内容をわかりやすく簡易的に示しています。実際にリスクの低減を行う場合は、各安全規格の最新内容を確認し、設備に対し、適切な手順および実施内容を決定してください。
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本質的安全設計方策
本質的安全設計方策の検討は、リスクの低減活動を行う際に一番最初に検討すべき内容です。ここでは、設備の仕様や設計に関する部分など設備の本質的な部分での危険源の除去、リスクの低減を行います。リスクの低減を行う場合は、極力ここで全てのリスクを低減、除去しきる必要があります。
以下にリスクの例とセーフティモーション機能を利用してリスクの低減、除去を行う場合の一例を示します。リスク、危険源 低減、除去方法 ロボットと、その他設備の間にはされてしまう。 セーフティバーチャルフェンス機能を用いてロボットの動作領域を明確化し、動作領域とその他設備の間に作業者が入れないようにする。 ロボットの6軸が回転しすぎてしまい、ハンドとフランジ部をつなぐエア配管が切れてしまう。 軸制限機能を用いて、ロボット動作軸の制限を行い、エア配管が切れないように動作範囲を制限する。 ロボットと作業者が同一の安全防護空間内で作業をする場合、ロボットと作業者の接触時に作業者が怪我をする。 速度監視機能、トルク監視機能を用いてロボットの動作速度とトルクを制限する事で作業者と接触しても怪我の無いようにする。 ロボットに取り付けるツールに鋭利な部分が存在し、ロボットの速度を低減しても作業者へ接触すると怪我をする。 姿勢監視機能を用いて、ロボットのツールにある鋭利な部分の向きを監視し、作業者へ触れないようにする。 -
安全防護及び/又は付加保護方策
ここでは、本質的安全設計方策で低減、除去を行いきれなかったリスクに関してリスク低減を行います。ここでは主に非常停止装置や安全柵の設置によってリスク低減を行います。
以下にリスクの例とセーフティモーション機能を利用してリスクの低減、除去を行う場合の一例を示します。リスク、危険源 低減、除去方法 ロボットの動作する安全防護空間内に、作業者が意図せずに立ち入ってしまいロボットと衝突し怪我をする。 汎用安全入力の設定を行い、接続したセーフティセンサを用いて作業者の侵入を検知し、立ち入ってしまった際はロボットを停止させる。 設備が大きく、ロボットの非常停止ボタンを押せない場合がある。 設備の大きさに合わせて、すぐに非常停止ボタンが押せるよう複数個の非常停止入力機器を用意し、ロボットの外部非常停止入力と接続することでロボットを非常停止できる状態にする。 ロボットが設置された柵を開けた際にロボットが停止せずに作業者と接触する。 柵を開けた際に、ロボットの防護停止入力へ信号が入るようにスイッチを設置し防護停止機能を利用して柵が空いている場合はロボットが動作しないようにする。 - 使用上の情報
これまでの2項目で低減しきれなかったリスクに対してリスクの低減を行います。ここでは、作業者や設備の周囲を通行する人に対して設備の注意を促したり、操作手順を用意することで安全に作業を行えるようにします。
ここでは、以下のようなリスク低減を行います。- 設備の稼働状態をランプ、ブザーで周囲に明示する
- 作業手順書を用意し、安全な作業手順を事前に示す。
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- このページに関連する情報
- ロボット設備の例と想定リスク
- 安全入力機器の概要

