<< 前へ        次へ >>

ID : 2896

トラッキングバッファデータの削除

ここでは、下記の項目について説明します。

TrackTargetPosのトラッキングバッファデータ削除処理

TrackTargetPosコマンドの引数設定により、トラッキングバッファから削除されるデータが異なります。

ここでは、下図のようなセンサトラキングの例で説明します。ワーク1からワーク5の順番に上流からワークが運ばれ、センサ通過後に、TrackSetSensorコマンドによりトラッキングバッファにワークデータが登録されると仮定しています。

TrackTargetPos実行前

ワーク1からワーク4のデータがトラッキングバッファに保存されています。

TrackBufferIndexesコマンドでトラッキングバッファのデータを確認できます。

vIndex = TrackBufferIndexes(1, -1)

vIndexの値: (1, 2, 3, 4)

TrackTargetPos(1)実行後

下記のワークデータはトラッキングバッファから削除されます。

  • TrackTargetPosで取得したワークデータ(この例ではワーク2)
TrackTargetPos(1) 
vIndex = TrackBufferIndexes(1, -1)

vIndexの値: (1, 3, 4)

TrackTargetPos(1, -1, -1, 1)でトラッキングバッファを保持した場合

TrackTargetPosコマンドで取得したデータは、トラッキングバッファに残ります。

TrackTargetPosコマンドで取得したデータを削除するには、TrackTargetReleaseコマンドを使用します。

Case1

TrackTargetPos(1, -1, -1, 1) 
vIndex = TrackBufferIndexes(1, -1)

vIndexの値: (1, 2, 3, 4)

Case2:TrackTargetPosで対象にしたデータのIndex番号を取得

TrackTargetPos(1, -1, -1, 1) 
vIndex = TrackBufferIndexes(1, 1)

vIndexの値: (2)

Ver.2.16.*より前の処理

ロボットコントローラのソフトウェアバージョンが2.16.*より古い場合、TrackTargetPosを実行すると、上記内容に加え下記処理が実施されます。

  • 最下流のロボットの下流限界より下流にあるワークデータの削除

例えば、上記の"TrackTargetPos(1)実行後"の処理において、ロボットコントローラのソフトウェアバージョンが2.16.*より古い場合、下記のようになります。

TrackTargetPos(1) 
vIndex = TrackBufferIndexes(1, -1)

vIndexの値: (3, 4)

下流限界より下流にあるワークデータの削除処理

最下流のロボットの下流限界より下流にあるワークデータは、下記コマンド実行時に削除されます。

  • TrackSetSensor
  • TrackSetVision

実際には、最下流のロボットの下流限界をこえても、ある程度の範囲までは削除されません。この範囲は、コンベアトラッキングパラメータの"ワーク自動消去マージン"で指定します。単位は"度"で初期値は0度です。

"ワーク自動消去マージン"は、各コンベア用に用意されており、"ワーク自動消去マージン(Coveyor#1)"から"ワーク自動消去マージン(Coveyor#16)"まであります (パラメータ番号は965から980です)。使用するコンベアに該当する番号のパラメータを設定してください。

  • 下記のすべての条件を満たす場合、最下流のロボットの下流限界を超えたワークデータがトラッキングバッファに多く蓄積されます。その結果、トラッキング用コマンドの処理速度が遅くなる可能性があります。

    • "ワーク自動消去マージン"の設定が大きい。
    • 最下流のロボットの下流限界を超えてしまうワークが多い。
  • コンベアトラッキングパラメータの"ワーク自動消去マージン"は、ロボットコントローラのソフトウェアバージョンが2.16.*以上の場合使用可能です。2.16.*より古いバージョンのロボットコントローラでは、コンベアトラッキングパラメータの"ワーク自動消去マージン"を0に設定したときと同じ処理となります。
  • ロボットコントローラのソフトウェアバージョンが2.16.*より古い場合、TrackTargetPosを実行するときにも、最下流のロボットの下流限界より下流にあるワークデータが削除されます。

ID : 2896

<< 前へ        次へ >>